Music space Jay

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日本の大きな勘違い。「ゴスペルミュージック」

 

こんにちは。Jayです。

 

今回は第一回音楽ジャンルの解説。「ゴスペル」についてです。

 

多くの日本人が知らないこのジャンル。そのゴスペルの誤解を解きたいと思います。

 

 

日本にはまだ来てないGospelのニューウェイブ

 ゴスペルと聞いて「ゴスペラーズ」を連想して、アカペラで歌う音楽だと思っている方が大半ではないかと思います。

ついこの間まで僕もそれほどの認識だったのですが、アメリカに武者修行に行った先輩が海外のゴスペルの影響がいかに大事であるかを電話口に教えてくれました。笑

実はゴスペルはアカペラだけではないのです。それは大昔の話なので、日本はゴスペルの認識を再確認すべき時期に差し掛かっていると本当に近頃思います。

 それでは、今日は少し勉強っぽい話をしましょうか。

奴隷と救済の音楽。ゴスペル

ゴスペルというのは元々17世紀から19世紀にかけてのアメリカの奴隷となったアフリカ人のための音楽だったのです。言語も宗教も剥奪されたアフリカ人の奴隷の数人が、ゴスペル、つまり福音(ここではキリスト教のことを指す)に出会い、神への讃美歌を捧げていたのが始まりです。

ちなみに当時は、奴隷であるアフリカ人には勿論楽器など演奏は出来ず、アカペラでの讃美歌が中心でした。(日本の基本的なゴスペルの音楽的認識はここまでで終わっています。)

楽器と信仰を手に。歌うブラック。

1619年から1850年の間の南北戦争の終わりにかけて、とても長い嵐が去ったかのように奴隷は解放されました。みなそれぞれが平等であるという答えに達するまでにおよそ200年もの歳月と数多くの命と愛が奪われた歴史の上に、生き残った彼らは数多くの讃美歌と鎮魂歌を生み出し、忘れてはならない。そして愛を信じなければならないと、歌い続けてきました。

のちに独特のリズム感とブルーノートといわれるスケールを用いた彼らの音楽とヨーロッパ讃美歌が融合したものがスピリチュアルミュージックといわれています。(みなさんにおなじみのゴスペラーズに伴奏がついたものと思ってください)

現在の教会音楽とブラックorホワイト

さて、主なゴスペルの歴史は理解いただけましたでしょうか?

今の教会音楽としてのゴスペルは主に黒人音楽と白人音楽に分離します。

ブラックゴスペル 

主にR&Bとの融合を果たした音楽であり、他のレゲエやヒップホップなどのブラックミュージックとの親和性の高い音楽であるため、協会などでもバンドなどでの演奏があり、若者の信者を多く獲得している。

 

ホワイトゴスペル

現在では主にcontemporary christian music(CCM)とよばれている。

より源流のスピリチュアルに近い音楽で、おそらく日本でのゴスペルの認識はこっちの方が強いと思います。

ピアノ伴奏がおもな音楽です。

 

海外のゴスペルの今

今やゴスペルはジャズやロック、そしてR&Bと融合してソウルやネオソウルと化したり、多くの海外の音楽シーンに影響を与える音楽であるのです。

しかし日本ではゴスペルは、アカペラの音楽なんでしょ?という方が非常に多く、もったいないなあと思っています。

いつか日本にもゴスペルの波が現れた時には、大きな音楽的な変化が訪れると思います。

宗教的な違いはもちろんですが、今も日本にブラックミュージックが普及しない原因の多くは、ゴスペルへの誤解や、宗教の違いにより普及しない故だと思います。

ゴスペルに限らず、もっと広義的に音楽を見つめることができたら、みなさんの音楽生活はより豊かになるかもしれません。

 

それではまた。

 

P.S次回は音楽ジャンルの解説「ラップ編」をしたいと思います。