Music space Jay

世界中のいま流れている音楽を紹介しています。

ワルいやつがやってるやつ?「ラップ」とは

 

こんにちは。Jayです。

今回は第二回音楽ジャンルの解説。「ラップ」についてです。

 

ワルい奴らが高架下に集まってブンブン鳴って喋ってるみたいなのをイメージすると思いますが、実はそんなことはなく、意外と古くからある文化なのです。

 

じゃあラップってなんだよ。

一般的には、1960年代にアメリカで行われたブロックパーティという地区毎に行われるお祭からが起源とされていますが、それより前から南アフリカのグリオという存在がラップの起源にあるのではと言われています。

 

グリオとは

古き南アフリカでは、文字という文化が存在しない代わりにグリオという存在が音楽に乗せて家系の系譜や近況の報告や果ては体の臭いの取り方などをメロディーに乗せて周囲に伝承していました。

そこでメロディに乗せるという技法が発達し、より口語に近い形、つまりはラップを形作っていったのではないかと思われます。

 

しかもこのグリオ、世襲制(親族が後を継ぐ制度)でして今でも存在します。

歴史ある音楽家系であるグリオは、所持する楽器なども神聖なものとされており、周囲の人たちが触れることはタブーとされているそうです。

南アフリカに訪れる際、グリオに出会っても決して楽器には触れないようにしましょう。。。

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 スピーチなどによる「言葉遊び」としてのラップ

グリオが、音楽の修辞法としてラップを使っていたのですが、それからさらに広くアメリカなどで使われるようになったのは、キング牧師のスピーチや、モハメドアリのインタビューなどの言葉遊びがきっかけでした。

 

政治的なスピーチなどで、ただ思ったことや宣言したりしても、相手には伝わりにくかったり、聞いてもらえないこともあったのでしょう。それから演説者はより韻を意識して演説するようになったのです。

現在のラップミュージック

 

ラップの歴史はこういったものから始まりました。

それから、レゲエのブレイクビーツに乗せて思ったことや感じた事を自由にラップで表現するスタイルが主流になり、ラップは一躍流行になりました。

それでは、現在のラップの活躍はどのようなものなのでしょうか。

教会でも使われてます。ラップ。

日本ではワルい奴らがやってる音楽としてヒップホップやラップミュージックが認知されているのですが、アメリカではヒップホップやラップの市場はどんどん拡大されています。

前記事で説明した、ゴスペルでも協会の演奏などで若者の支持を得るためにラップをしていたりします。

また、R&BやSoulの音源を聞いていても随所随所にラップが取り込まれていたり、実にさまざまな場所でラップは使われています。

 

日本のラップってどうなの?

日本のラップはフリースタイルダンジョンの影響もあり、渋谷や大阪の梅田なんかでも盛んにフリースタイルラップ(後述)が行われています。

あとは最近アイドルソングもよくラップをしています。アニソンやアイドルソングはBPMが高いものが多いので、ラップとの親和性が高いのです。

しかし、やはり日本語ラップの語呂は扱いが難しいところなので、今後の活躍はまだまだ先の話になるのではないかな~と思います。

また、日本ではラッパーが曲を作ることもありますが多くはトラックメイカーと二人三脚で楽曲制作しています。

海外でのR&BやSoulのラップミュージックに一番近しい日本のアーティストというと有名どころでおすすめは唾奇やSALUなどがおすすめです。

日本のラップミュージックは、ラッパーのスキルはもちろんなのですが、それよりもトラックメイカーのセンスが重要になっていたりもします。

唾奇

 SALU

 ヒップホップ語録。ライムってなに?

ラッパーなどがよく「フロウがやばい」とか「マジでワック」とか言っているのを耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。今日は最後にラップにおいて使われている用語の解説をして終わりたいと思います。

初級

ビーボーイorビーガール

ヒップホップが好きな男女のこと。

ライム

韻を踏むこと。

フロウ

ラップでのリズムのノリ方の事。

狭義には3連符や16分で刻むか4分で落とすかなど。

ワック

ダサい。バカな。

バイブス

想いの熱量の大きさなどを指す。

レペゼン

代表の意。使用例:レペゼン東京!(意:東京代表!)

リスペクト

尊敬していること。

マイメン

仲間、親友。

エムシー(MC)

ラッパーのこと。

ヒップホップなどでは、microphone controllerの略であり、

イベントなどでのMCは、master of ceremoniesの略である。

ディス

誹謗中傷のこと。

ディグ

新しい音楽や音楽シーンを”発掘”すること

a.k.a

also known as 、またの名を~、別名。

中級

プロップ

正当な評価。また聴衆からの尊敬のこと。

ホーミー

地元の仲間のこと。

 ヘッズ

ラップが好きな人たちのこと。

ビーフ

おもにラッパー間での非物理的な喧嘩のこと、音源で問題の相手をディスしたり、その相手がアンサーソングでディスし返したりなど。

語源は、米のウェンディーズというアメリカのハンバーガーの会社がCMにて、おばあさんがマクドナルドのハンバーガーを食べて、バンズに埋もれたパティを見て、「Where's the beef?」とコメントしたところから。

バスタ

悪ガキ

サグ

武闘派・暴漢のこと。コンプトンの伝説的ラップ集団、N.W.Aのイージーなどが有名。

ドープ

 いろいろな使われ方をしていますが、大意では、「ヤバい」という意味。

良い意味でも悪い意味でも使われます。

上級

 C

コカイン。

アイス

覚せい剤

ウィード

マリファナ

フレイヴァ

個性、雰囲気。

143

I love youの意。

411

知らせ。

730

 イカれてる。殺意がある。

 

いかがでしたか?これで今日からあなたもヘッズで僕のマイメンですね。

 

今日はこのへんで。

 

それではまた。

日本の大きな勘違い。「ゴスペルミュージック」

 

こんにちは。Jayです。

 

今回は第一回音楽ジャンルの解説。「ゴスペル」についてです。

 

多くの日本人が知らないこのジャンル。そのゴスペルの誤解を解きたいと思います。

 

 

日本にはまだ来てないGospelのニューウェイブ

 ゴスペルと聞いて「ゴスペラーズ」を連想して、アカペラで歌う音楽だと思っている方が大半ではないかと思います。

ついこの間まで僕もそれほどの認識だったのですが、アメリカに武者修行に行った先輩が海外のゴスペルの影響がいかに大事であるかを電話口に教えてくれました。笑

実はゴスペルはアカペラだけではないのです。それは大昔の話なので、日本はゴスペルの認識を再確認すべき時期に差し掛かっていると本当に近頃思います。

 それでは、今日は少し勉強っぽい話をしましょうか。

奴隷と救済の音楽。ゴスペル

ゴスペルというのは元々17世紀から19世紀にかけてのアメリカの奴隷となったアフリカ人のための音楽だったのです。言語も宗教も剥奪されたアフリカ人の奴隷の数人が、ゴスペル、つまり福音(ここではキリスト教のことを指す)に出会い、神への讃美歌を捧げていたのが始まりです。

ちなみに当時は、奴隷であるアフリカ人には勿論楽器など演奏は出来ず、アカペラでの讃美歌が中心でした。(日本の基本的なゴスペルの音楽的認識はここまでで終わっています。)

楽器と信仰を手に。歌うブラック。

1619年から1850年の間の南北戦争の終わりにかけて、とても長い嵐が去ったかのように奴隷は解放されました。みなそれぞれが平等であるという答えに達するまでにおよそ200年もの歳月と数多くの命と愛が奪われた歴史の上に、生き残った彼らは数多くの讃美歌と鎮魂歌を生み出し、忘れてはならない。そして愛を信じなければならないと、歌い続けてきました。

のちに独特のリズム感とブルーノートといわれるスケールを用いた彼らの音楽とヨーロッパ讃美歌が融合したものがスピリチュアルミュージックといわれています。(みなさんにおなじみのゴスペラーズに伴奏がついたものと思ってください)

現在の教会音楽とブラックorホワイト

さて、主なゴスペルの歴史は理解いただけましたでしょうか?

今の教会音楽としてのゴスペルは主に黒人音楽と白人音楽に分離します。

ブラックゴスペル 

主にR&Bとの融合を果たした音楽であり、他のレゲエやヒップホップなどのブラックミュージックとの親和性の高い音楽であるため、協会などでもバンドなどでの演奏があり、若者の信者を多く獲得している。

 

ホワイトゴスペル

現在では主にcontemporary christian music(CCM)とよばれている。

より源流のスピリチュアルに近い音楽で、おそらく日本でのゴスペルの認識はこっちの方が強いと思います。

ピアノ伴奏がおもな音楽です。

 

海外のゴスペルの今

今やゴスペルはジャズやロック、そしてR&Bと融合してソウルやネオソウルと化したり、多くの海外の音楽シーンに影響を与える音楽であるのです。

しかし日本ではゴスペルは、アカペラの音楽なんでしょ?という方が非常に多く、もったいないなあと思っています。

いつか日本にもゴスペルの波が現れた時には、大きな音楽的な変化が訪れると思います。

宗教的な違いはもちろんですが、今も日本にブラックミュージックが普及しない原因の多くは、ゴスペルへの誤解や、宗教の違いにより普及しない故だと思います。

ゴスペルに限らず、もっと広義的に音楽を見つめることができたら、みなさんの音楽生活はより豊かになるかもしれません。

 

それではまた。

 

P.S次回は音楽ジャンルの解説「ラップ編」をしたいと思います。

 

フランスからの刺客。7つの楽器を自在に操る男「French Kiwi Juice」

こんにちは、Jayです。

 

今回は、フランスはパリからの鬼才の紹介をします。

 まずはこちらをご覧ください。

これは2016年にある男性が、私たちのいま住んでいるここ日本の某所にて一人で即興で作った音源です。それでは紹介いたしましょう。

Sound Cloudに現れた謎の男

5年前、Sound Cloudに「FKJ」と名乗るビートメイカーが現れました。

これは、現在Sound Cloudに残っている最も古い彼の音源なのですが、当初の彼のサウンドはファンクやハウスミュージックに精通したサウンドが特徴的でした。

soundcloud.com

 

この音源からしばらくして、彼は「The Twins EP」をSound Cloudにリリースします。

soundcloud.com

サンプリングなどの技術を積極的に取り入れ、よりエレクトロなサウンドに仕上がりました。BPM100ぐらいで鳴らす音というのは、非常に説得力のある音でないとありきたりになってしまうのですが、彼はそのテンポの音源でも真っ向から勝負しています。この姿勢には頭が上がりません。

このリリース当初から一部のビートメイカーには支持を受けていたのですが、この後、彼の制作環境は大きく変わります。

 

JET JAM MIX TAPE#3のバズ

 Sound Cloudで少しずつ知名度を上げていくFKJですが、JET JAMというSound Cloudのアカウントへの楽曲提供、JET JAM MIX TAPE#3が爆発的にヒットします。

soundcloud.com

もともとこのJET JAMというアカウント自体に大きな影響力は無いのですが、このアカウントが主催するJET JAM PARTYというライブでのFKJのパフォーマンスに多くの人が称賛。そして各SNSで話題となりました。

FunkyかつHouseの雰囲気を残しながらもDiscoなサウンドに仕上げた楽曲たち。

Sound Cloudの音源はリリースされる度に多くのフランスを中心としたビートメイカーやリスナーに絶大な支持を得るようになりました。

自主レーベル「ROCHE MUSIQUE」の人気沸騰

こうして人気を博した彼は、自身のパリの自主レーベル「ROCHE MUSIQUE」(ロッシュ ミュージック)で彼のエレクトロサウンドのフォロワーを獲得します。

Youtubeのチャンネルでの再生数も爆発的に再生され、フォロワーのMVも話題となりました。

こちらは、ROCHE MUSIQUEより最もホットなアーティスト、Maydien。

それからの彼の数多くのライブ映像世界中に拡散され、一躍時の人となりました。

こちらは、Red Bull Studios LondonでのFKJのImprovisation(即興演奏)です。

 今後の活躍

今やフレンチエレクトロというジャンルにまで成長した彼の音楽。

日本では”チルアウト系”などとも呼ばれる音楽ですが、これから日本のシーンにも即興で多くの楽器を操るフォロワーが現れることも期待されます。

ROCHE MUSIQUEの父、French Kiwi Juice。是非お聴き下さい。

 

それではまた。

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私は21歳のギタリストJayです。

 

主に京都や大阪を中心にHip Hop,R&B,Soul,Neosoul,Funkなどのライブによく出演したり見にいったり。たまにイベントを企画したり、楽曲提供に参加などもしています。

 

ここでは、ライブレポ、アーティスト紹介、業界の裏側など。

商用の音楽メディアでは、決して語られない部分も包み隠さずお伝えします。

 

 

 

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